旅は、もう行き詰っていた。
「・・・で?・・・あと何人の能力者がいるんだ?」
光司がイライラしながら言う。
「・・・いない・・・もう・・・どこにも動くものがないんだ・・・。」
吉井は力なく告げる。
この旅の目的は『別の時間軸に止まった時間をつなげる』能力を持った人間を見つけること。
そのための『スティールォ・バロール』なのだが・・・。
「・・・いい加減にしてくれよ!・・・じゃあもう時間は動きださないってのかよぉ!」
「光司!落ちついて!・・・騒ぎ立ててもしょうがないわ・・・。」
「うーむ・・・袋小路・・・じゃな。」
全員が希望を捨てかけていた。
シオンは”別に時間が動かなくてもいいかな”と思ってたし、
悠人も”やるだけはやった”と思い始めていた。
「誰かなんとかしてくれよッッ!」
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