と思ったが、そんな音ではなかった。
むしろ別のものと当たった感じがした。

目を開けてみると交差点を渡りきっていた。
自転車は倒れている。それと・・・女の人が倒れてた。
「だっ大丈夫で イテッ足が!!」
「あいた~、大丈夫なわけないやろ!!」

「たっ立てますか?」
なんと言っていいか分からず、とっさに言ってみた。
「うちは大丈夫や」
よく見るとその人は自分より2、3歳年上の女性に見えた。
「よかった~、怪我してなくて」
「良かったわけないやろ!」

僕は少し黙り込んでしまった。
「・・・・・・立てるか?」
その女性の声は始めは怒っていたようなそうでないようなだったが、今は落ち着いてきてた。
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諸行無常是生滅法生滅滅已寂滅為楽 第参話 s.1
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