=現代、とある学校=

「ふぁ、やっと終わったぁ・・・・」
テスト終了の合図があり、その日の日課は終了した。
黒髪、黒目の少年は立ち上がる。
「ん・・・」
1時間座りっぱなしで突然立ち上がったためか、視界がブラックアウトする。
「あー、またかよ・・・」
しばらくすると少しずつ見えてくるようになる。
見えた世界がファンタジーになっていることもなく、少年は普通に教室の中にいた。
テスト終了でざわついているクラスメイト達。
代わり映えのない日常だが、これもこれでいいものだと少年は楽観ししていた。
(まぁ、変わってしまえば楽しむんだろうけどな)
変わって欲しいと変わって欲しくないとでは、今のところ、1分の9だ。
別に両親から虐待を受けているでもなく、
友達にいじめられているわけでもない。
少し変わって欲しいところといえば、

・・・決してよくはない成績、だろうか。

「はは、世迷言だよなぁ・・・」
苦笑いがこぼれる。
そもそも勉強などしては居ないのだから、成績があがるはずもなく。
「とりあえず昼飯。」
少年は毎日これと決めている焼きそばパンを購買へ買いに行くべく、教室を後にした。



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