「逃げろ!ガキ共ぉォォォォ!!」

先程の黒いハンターが、洞窟をものすごいスピードで…滑っている?


プワァッ!


強烈な閃光が辺りを包み、視神経が回復すると、3人のハンターが、真っ白なモンスターを攻撃していた。
見たこともないし、本でも読んだことがない。

目が治ったそのモンスターは、低く四つん這いの体制をとった。

ふさふさとした毛が背中を覆い、顔は鋭くとがった牙を剥き出し、圧力のある邪目を持つ。発達した四肢に、前面へと向けられた刺。悪魔の化身のような容姿だった。

「さっさと出ろ!死ぬぞ!」


黒いハンターは、大剣を片手で振り回し、もうすでに数えきれない数の斬撃を繰り返していた。

マールは格の違いを改めて思い知る。
彼女に大剣は使えない。重すぎて、狩猟に使えるほど機敏に動けないのだ。

「何だよ!そのモンスターは!?」

ガクは、驚愕の表情で叫ぶ。

「ていやぁぁぁ!!」

別の声が洞窟に響く。狩猟中のハンターの雄たけびである。


グゥゥゥウウウウル!!


咆哮の重低音が鼓膜を震わせ、足がすくむ。
ガクとマールは動けなくなった。

普通のモンスターの咆哮はうるさいだけだが、このモンスターの咆哮は格が違う。


「伏せろォォォォオオ!!」
次へ

s.1
やめる