「…何これ…。」
俺の目の前にはバカでかい機械が置いてある…。
「突入口だ。」
三郎太は淡々と告げた。
「…どこに突入するんだ。」
「フェンリル・ドームにだ。」
俺達は三郎太に工場の倉庫に連れてこられていた。
前回からのおさらいをしておくと、今ここにいるのは
俺、レイタと三郎太、メタナイトとピットに沢井と弘隆とルカリオとスネークだ。
良く訳も分からないまま連れてこられた。
「いや、だからフェンリルドームって何だよ…。」
いちいちしゃべらせないでほしい。
「この世界を再び飲み込まんとしている狼が住んでいる世界だ。」
「再び!?前に飲み込まれたのか!?」
沢井が口をはさむ。
「そうだ。オマエら、ラグナロクって知ってるか?」
そういえばあの扉に書いてあったな。
「ラグナロクってのは、北欧神話でこの世界を創生した後の神の死期のことだ。主神オーディンはそれでフェンリルっつー狼に飲み込まれたんだ。」
そんな知識が関係あるのか?
「えーと、俺たちが呼ばれたのはそのフェンリルとやらをどうにかしろっていうことか?」
弘隆の読みはけっこう当たる。無駄に。
「そういうことだ。その依頼はちょいと二人じゃできないんでな。」
依頼?
「調整終了。」
さっきのバカでかい機械から声がした。
機械の上にあるカバーがはずれ、中から人影が出てきた。
出てきたのは少女だった。
「三郎太!準備は出来たよ!」
いやいや、準備とかじゃなくてまず名を名乗れよ。
「あぁ、紹介する。ラルミだ。」
「よろしく頼む。」
ラルミはツナギ姿で出てきて、工具をしまいながら言った。
「こいつは一言で言うとロボットでな、力仕事とメカならこいつに任せていい。」
「何もかもが型破りだな、いくらなんでもこんなに良く出来たロボは見たことねぇ。」
沢井、そろそろウザい。舌を噛み切れ。
「私はただの機動装置だ、あまり万能じゃない。」
そう淡々と言い捨ててラルミは奥の部屋へ入って行った。
「あとは…あいつが来れば…。」
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