「おーい、起きろぉ。」



「おいおい、本当に起きろよ。」

ムクッ…


「やっと起きたかよ。そろそろHRだから起きとけ。」

俺は不機嫌ながらもソウジの言うことを聞いた。

俺はレイタ。

毎日のように授業中は寝ている。何故かというと、退屈だからというほかない。
内容も大体分かってる。

クラスの担任、田中は今日も偉そうにふんぞり返っている。
しかし、今日の田中の顔は嬉しそうだった。

クラスもざわついていて、やかましい。

「おい、レイタ。」
ソウジが不意に話しかけてきた。

「今日、転校生が来るんだってさ。」


俺は無言で窓の方を向いた。

「ちぇっ!いつまでたっても食えねぇ野郎だなぁ。」

俺の唯一の友達であるのは僕の隣の席にいるソウジだけだった。

ソウジは変わり物で、男にも女にも人気があるのに俺と一番付き合っていた。

「転校生?どうでもいい。」
折角だから答えてやった。投げやりに

「お前のことだからそうだろうと思ったよ。」
と、ソウジ。


僕は世界のすべてに無気力だった。
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