…終わった…
私が気がついた時には密閉された部屋に閉じ込められていた。
何故ここにいるのかも分からない。
連れてこられたのか…自分で入ったのかもわからない。
でも別にこんな人生なら別にここで終焉を迎えてもいいと思う。
なぜなら記憶も何もないから。
名前以外は何も分からない。
ドガァァァァァァン
爆発音。
ここに爆発来るかな…
いいや、死のうが死なないだろうが同じこと。
寿命が延びるか縮むかだ。
そんなとき、扉が轟音をあげて倒れた。
「誰かいるか?」
そこにいたのは中学生くらいの男が立っていた。
「何してんだ。すぐそこまで爆発してきてるんだ。早く逃げるぞ。」
そう言って男は私の手を引いてその部屋を出た。
私がいた部屋は金庫みたいに密閉されたビルだった。
「お前、名前は?」
「私は…ラルミ…。」
「俺は杉森三郎太だ、よろしくな。」
聞いたことがあるような名前だった。
私は、彼とともに逃げ続けた。
後ろに聞こえていた爆音は、聞こえなくなっていた。
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