学ランの青年の家。町から離れた団地に建っていたが、その家の大きさは
他の物とは一線を画していた。
町から離れている為に土地が余っているここだからこそ出来た事なのだが。
玄関の手前には小さな門があり、表札が付けられていた。
「伊佐田」。変わった名前である。
この名字は戦国時代にこの地域を支配していた大名に付けられたものだという。
彼の家はいわゆる「和風の屋敷」のイメージそのものであった。
敷地内には大きな池もあり、立派な錦鯉が何匹か飼われていた。



次へ

s.1
やめる