舞先輩が言った。

「ついにこの日が来たんだね・・・」



「3年間長かったようで短かったかなw」

と、詩織先輩も言う。



そう、今日はついに演奏会。

3年生最後のホール演奏で、そして引退の日。

誰もがこの日を待ちわびていたが、引退はまだしたくないという3年生が沢山居た。



だが、これが本当に最後。

”中学校の吹奏楽部”としてホールで演奏するということはもう二度と無いのだ。



「うう・・・先輩・・・先輩・・・」

悠先輩が涙ぐむ。



「てか今日すいとる君替えたいんですけどもいーすか?」

美咲は相変わらずのKYっぷりだ。



3年生はもう1・2年生と演奏することは無い。

全員で吹くことは、明日からは絶対にない。

それでも3年生は、ひたすらホールで演奏する準備を進める。

休んでいるヒマなんか無いくらい忙しい。



まぁ、1500人入るホールで演奏するのだから、これくらいの準備は当たり前なのだ。

1年生と2年生も、泣いてるヒマなんか無いくらい忙しさに追われていた。

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