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擬人化でやっつけSS

更新日:2009-12-29 17:24:00

朝。
珍しく早くに目が覚めた俺は、いつものように隣で寝ているネスタを起こさないようにそっとベッドを出、自分の部屋を出る。

ドアノブをひねり、ドアを引き、一歩。
そこで異変は起きた。

「うおわー!」

何か叫び声が聞こえた。



ポケモン妄想録金銀 外☆伝
『ファイヤーさまは伝説だけど俺は認める
  なんたってかわいいからな』



……いや、どうしよう?
叫び声が聞こえたのはいいが、普段叫ばない奴の声だったからなおさら行きづらいんだよな・・・
まぁ、いくしかないよなぁ・・・

最中「……まさかエンの奴が叫ぶとはなぁ……」

少しげんなりしながらエンの部屋のドアをあけ

最中「おいィ?何勝手に叫んでるわけ?」

小ボケかましてみた。
いつもだったらここで軽く突っ込みが飛んでくるんだが……

最中「どういうことなの……」

エンはその場で高速回転していた。


閑話休題。

最中「少しは落ち着いたか馬鹿もの」
エン「OK落ち着いた」

とりあえずぶん殴ったら落ち着いたので結果オーライとする
なんか今日立場逆転してないか?

最中「それで、何があったか説明してもらおうか」
エン「いや、それがだな……」

〜しばらくお待ちください〜

最中「へぇ、それでこんな高速回転してたと」
エン「回転はいらなかったがな」
最中「なに言ってんだお前……」

話の要約をすると。
夢の中になんか出てきて自分に呼びかけていた。
しかもそれはともしび山に来るように呼びかけたという。
目が覚めて冷静になったら自分は電波なのかという疑問、そしてもしそうだったら自分がPTで一番トチ狂っているという恐れから回転したという。

エン「とりあえずともしび山になにかありそうだってことは言っておこう」
最中「……まぁやることないし調べてみるか?このままじゃぁお前が不憫すぎる」

さしもの俺ですら同情するんだ、内心すげぇことになってんだろうな……

それから、皆を集め一部を伏せて説明した。
特に皆もやることが無いので同意、早速向かうことにした。


―1の島 ともしび山―

ネスタ「やっぱり火山じゃのう、少し暑い気がするな、主殿」
最中「うむ、そうだな」
ヒダン「うぅん……やっぱりこの格好じゃ暑いわ……」


よし、皆元気だな
早速山頂目指そうか。
一度行ったことある道のりだ、時間はかからないだろう。


―山頂―

最中「よし、山頂だ……っ!?」

山頂に抜けるトンネルを抜けた途端、凄い熱気を感じた。

エン「ぐ、お……!なんだこりゃ……!?」

エンでさえうろたえるくらいか……こりゃ相当だな。
もうこの上になにかあると見て間違いは無いな。

すざましい熱気に汗をかきながら、さらに上を目指し歩く。
一分も歩かないうちに頂上まで着いた。
そこには、一人のポケモンがいた。

「ようこそ。伝説のポケモンマスターと呼ばれるもの。我も伝説と呼ばれるもの。名は……」
最中「ファイヤー、だろ。知識で位はしっているさ」
ファイヤー「其の通り、ではこれ以上の説明を省き、単刀直入に言いましょう」
エン「へぇ……!火の神様が俺たちになんか用かよ……!」
ファイヤー「……それは少し違います。我は神ではなく、その化身。故に神の意思に従うもの
    少し話が逸れました。では、問います」
最中「OK聞こうじゃないか」
ファイヤー「我の神は近々遠き地で天地を揺るがす事件が起きると言っています。
    故に、力添えをするようにと仰っております」
最中「うそつくんじゃねぇよwwwwww神とかに信頼されるような人間じゃねぇよ俺ぁwwwww」
ファイヤー「いやまぁそうですけどふいんき(何故か(ry)くらいださせてもいいじゃないですか」
ヨツバ「いや肯定しちゃだめでしょ」
それはいかんな。どこかの誰かさんがひどいツッコミとかしそうでな。
最中「それにんなこと頼む奴なんぞ想像がつくんでな」
ファイヤー「……たとえばどのような?」
最中「せいぜいワタルか会長さんあたりだろうな」
ファイヤー「……くすっ。それは違いますね」
ネスタ「なん……じゃと?な、なら誰がそんなことを……」
ファイヤー「それは今に分かります。……ほら、きましたよ」

来ましたって……どこにも、何も……

ギュピッ ギュピッ ギュピッ ギュピッ

エン「なんだ……この形容しがたい足音は……」
最中「一度……いや、何度か聞いたことがある……」
ネスタ「知っているのか主殿!」
最中「というかもう二度と聞きたくはなかったがこれは……」
エン「……!そうか、あの人か……」

もう分かった。アレが言うんだったら違いない。そして俺にこんな無茶をさせようとしているのもアレだ。
完璧に分かった。ここまでして俺をパシリに使う奴は……

最中・エン「親父!」

親父「私の足音でやっと気づくか。この戯けが」

一言目からこれかよ……ひどすぎる。

最中「文句いうのはいいが、簡潔になにがどうなってんのか教えて欲しいんだが」
親父「近々天変地異
   解決めんどい
   よし、お前行け」
エン「さすがにそれは把握しがたいぞ!?」

いや親父だけでも十分解決できるとは思うが……そうか、めんどいのか……

最中「だけどももう一押しなにか理由がないとな」
ヨツバ「ちょ、ちょっとまさか行く気!?何があるか分からないってのに……」

落ち着けヨツバよ、これでもしかしたら何かもらえるかもしれんのだぞ。
そう思っていると親父は懐から何か取り出した。
来た!何か来た!これで勝つる!

親父「ふむ……ならばこいつをやろう」

もなかは ちからのマギを てにいれた!

最中「いや秘宝はいらんですよ」
親父「おまえは あたらしいかみに なるんだ!」
エン「いやそれだと爆発しそうだから」

―――以降怒涛のgdgdなので要約―――

親父「とりあえず実力みたいからファイヤーと戦え」
最中「えっ!?」
親父「だれか一人出して戦え」

エンが出た
勝った
ファイヤー力尽きたところをエンがお姫様抱っこ
ファイヤーさん馬路惚れ
青春

―――以上怒涛のgdgd終了―――

親父「ほぅ……同じタイプ、それも格上を倒すか」
最中「こうでなきゃポケモンマスターなんかやってないっての」

と、他愛ないやり取りをしているうちに応急処置をすませたファイヤーとエンが戻ってきて……ってファイヤーさんくっついとるがな。

エン「いまさらで悪いんだが、この戦いに意味はあったのか?」

それよりうれしそうにすりすりしてるファイヤーさんが

親父「うむ、それくらいならあっちに行っても大丈夫だろう」
最中「いやそれもそうだけど」

誰かファイヤーさんに突っ込んでくれよ

親父「で、だ。このファイヤー連れていく気は無いか?」
ファイヤー「一応危険になったとき限定ということで戦闘には参加することになりますね」

いや、だれか突っ込んでよ!まともなこと言いながら恍惚としてるよこの子!
というかファイヤーさんかなり着やせするんだn違う!断じてオパーイに腕がはさまれてるのがうらやましいとかそういうんじゃ(ry

ネスタ「義父上!一つ疑問があるのじゃ!」
親父「うむ、いってみろ」
ネスタ「その……違う地方というかあちらではこちらのバッヂは使えるのかの?」

あ、俺の質問が……

親父「答えはNOだ。ジョウトのがカントーで通じなかったのと同じ」
最中「じゃぁせめてあっちに行くまでの運賃くらい出すよな?いや出せ」
親父「分かったそれは手配しておこう。後日大木戸博士から受け取るがいい。では今日のところはこれまでにしておこう」

暑いし。ここ火山の上なんだよな。今の今まで忘れてたぜ。
というかまだまだいろいろいいたいことはあるが……まぁいいか。

ヨツバ「はぁ……とりあえずセンターに戻る?」
最中「そうするか。じゃぁ皆、一度ボールに戻ってくれ」
ファイヤー「えぁっと、我は……」

おっとまた忘れてた。

最中「……まぁ明日迎えに来るからとりあえず今日は休んでおきなよ」
ファイヤー「分かりました。お言葉に甘えさせていただきます」
最中「そんじゃ、また明日な!」

手早くあいさつを済ませた俺は皆をボールに戻し、ヨツバの背にのる。

ヨツバ「とっとと休みたいから飛ばすわよ……!」
最中「たのん……ぬぉっ……!」

いつも以上のスピードで飛び立った。


――――

ともしび山頂上の夜。

ファイヤーは一人、空を眺めていた。
火口近くで塵が多いため、月は少々見えにくい。

だがそんなことはファイヤーには関係なかった。もとより月を見に来たわけではなかった。
ある一人の人物のことを想っていたのである。

私と同じ炎を操る身でありながら、伝説と呼ばれる我を打ち倒した人。
我は彼に惹かれてしまったのだろうか。

ファイヤー「はぁ……」

思わずため息が出てしまった。
明日からは彼の主人とともに歩むことになる。
彼をすぐ前にして我は大丈夫だろうか。いろいろと。
そう、いろいろと。

例えば、例えば………(以下検閲により削除)

以上、結論を言うと明日からが楽しみでwkwkして眠れなかったのである。

――――

次の日の朝は皆と食事を取り、すぐにともしび山へ向かった。

何故か親父が仕事先に引越しの手続きしたとかなんとかで手伝いも兼ねて早く行こうということになったのだ。
とりあえず俺はいつものメンバーに加え、今日は危険は無いのでカイエとサナタも連れて行く。
荷物はすべて持ち、ファイヤーを加えた足で島を出る予定だ。

最中「サナタ、足場悪いからあんまり走るなよー」
サナタ「大丈夫だよお父さん!」

と、普通の会話を交えてともしび山を登っていく。
途中サナタが転んだりしたが他には特に何も無かった。

特に急ぐわけでもないので休んだりはしないがゆっくりと登った。

山頂までたどり着くとファイヤーが岩に腰掛けていたので俺は声をかけた。

最中「おう、昨日はちゃんと眠れたか?」

声をかけるとさすがにこちらに気づき、軽く会釈した。

ファイヤー「えぇ、おかげさまでわくわくして眠れませんでしたよ」
最中「ひにく きつい です うぎぎ」
ヨツバ「開幕から馬鹿まるだしね……」

この酉……できる!

サナタ「お父さん、このお姉さんだぁれ?」

―――――

サナタ「このお姉さんだぁれ?」

ちょっとしたクーd冗談をかました我を指して、我の主になるであろう人に問いかける少……幼女。
……幼女?
え?この子、主に……あぁもう主でいいや。主のことお父さんて言いましたよね?
み、見たところあの子はイワークのようですけど……
え?え?確か彼のPTにハガネールが……まさか!?

ファイヤー「……この子、まさか」
最中・ネスタ「俺(妾)の子です」(キリッ
ファイヤー「……!」

ト、トトトトンダゴッサ!じゃない、なんてことです!まさかあの二人、人間とポケモンという種族差を越えて子持ちだなんて……!
ってもう一人主が肩車してますね……もしや双子!?
なななふ、双子!双子ですよ!?種族差越えて双子ですよ!(注:関係ありません)
……ハッ!ということは我もエン様と子供を作れるってことなんですね!そうなんですね!

最中「……おーい」
ファイヤー「はぁっ!な、ななな何ですか?」
最中「いや、このままっていうのもアレだから、さ」
ヒダン「用は捕まえさせろってことね」
ファイヤー「あぁ、それもそうですね」

仮にも我は伝説と呼ばれた身。他人の目に触れるようなことは避けたいんでしょうね……

ファイヤー「我がすこしの間ボールの中にいればいいんですね?」
最中「うむ。ちょっと。というかせいぜい3時間程度ボックスに預けなけりゃいけないしな」

……なんですと?

ファイヤー「ちょ、ちょっと待ってください。一度カントー本土に戻るんですよね?」
最中「おっと、買出しがあったな。うん、カントーで買出ししてから3時間くらい待ってもらうことになるな」
エン「ん?なにか足りないものなんてあったか?」
最中「せっかくの引越しなんだ、それに新しい仲間だって増えるんだから歓迎しよう!盛大にな!」
ヒダン「なるほど、そういう買出しね」

買出しなら短い時間とはいえ一度カントー本土に戻るみたいですね。
一度カントーに行ってみたかったんですよねぇ……

ネスタ「うん?ファイヤー殿は行ったことがないのか?」
ファイヤー「恥ずかしながら……」

うむむ、やっぱりちょっと恥ずかしいですね……
というか生まれてこのかたこの1の島からも出たこと無いですよーだ。

ラセイラ「なんだ、照れたりかしこまったりツンツンしたり忙しい奴だな」
ヒダン「人って難しいのよ」

最中「あまりやんややんや言うな。もうファイヤーは捕まえたからそろそろ行くぞ」
アクラ(いつの間に……!)

……少し視界がチカチカしたり暗くなったりしたと思ったらこういうことなんですか。
説明とかいろいろしてくれればよかったのに。

最中「よーし、タマムシデパートにのりこめー^^」
一同「わぁい^^」

聞いてくださいよ。

――――

〜1時間後〜 ホウエン行きの船

最中「酔った……」
ラセイラ「プギャーwwwwwwww」

う、うるさいやい!人にも苦手なものの一つ二つくらいはあるわ!

ネスタ「うぅ……しかし主殿が船に弱いとは思いもしなかったのじゃ」

そのおかげでぼかぁ嫁の膝枕を堪能してるわけなんだが
うんうん、やっぱりいいものだよね。愛を感じるよ愛を!

サナタ「お父さん!お父さん!船の中探検してもいい!?」
カイエ「…………いい?」

かわいらしく首をかしげる我が娘たち。
うーん……船自体はそんなに広くないし二人だったら……とか思ったけどここはやっぱり、

最中「そうだな、二人だけじゃあぶないから……アクラ、ついていってくれ」
アクラ「はい、わかりました。それじゃ、いきましょうか」

……そこでお前が行けよと言いたかった諸君。
少し上を見たまえ。私は酔っているのだよ。
仕方ないのだ。

最中「……それにしても他の奴らはどうしたんだ?」
ネスタ「うむ、確かエンはファイヤー殿に連れられて甲板に行っているし、ヒダンはヨツバとどこかへ行っているな。たぶん食堂あたりかとおもうのじゃが」

これはビンビンフラグ臭がしますね。特に前者。あとでいじくり倒そうか。

――――

諸君、元気にしているだろうか。エンだ。
今、俺はファイヤーに誘われて甲板の方へ出ているわけだが。

ファイヤー「…………」

どうしたことか。
ファイヤーが甲板の縁で惚けた顔して動かないのだ。
初めて海を見たということで感動したのだろうか。俺もそうだったように。
だがそれだと 何 故 か 俺を手招いてる理由にならない。
何故だ……何故なんだ…

ここで考えていても仕方が無いので手招きに従い甲板の縁まで行く。
すると、ファイヤーは少し興奮した様子で言った。

ファイヤー「……海って本当に青いんですね」
エン「あぁ、まぁそうだな。一度は目にしたりとかしなかったのか?」
ファイヤー「いやぁ、一応狭い島でしたから海岸くらいは目にしたんですけどそれでもここまで青くは……」
エン「さすがに沖まで来れば深さが違うからな」

やはり海に感動した様子でそれを誰かに伝えたかったようだ。

――――

あぁあああぁああ!!
二人きり!エン様と二人きりですよ!ねんがんの ふたりきりの じかんを てにいれたぞ!
出会って間もないですけどこれいいのかなーとか考えましたけど細かいことはいいですよね!
あ、でも海もこんな沖まで出たの初めてですね。やっぱり深いからでしょうか。青いんですね。
っと我だけではしゃいでますね。
さすがに一人で空回りはだめですよね、やっぱりエン様と一緒にいないと。
手招き手招き〜
……ちょっと怪訝な顔ですね。我、ちょっとヘンですか?

と、とりあえずは何か話題を……!

ファイヤー「……海って本当に青いんですね」

わ、我ながら普通すぎる話題だ!
普通すぎて軽く正気に戻りましたよ!あ、これでいいのか!

エン「あぁ、まぁそうだな。一度は目にしたりとかしなかったのか?」
ファイヤー「いやぁ、一応狭い島でしたから海岸くらいは目にしたんですけどそれでもここまで青くは……」
エン「さすがに沖まで来れば深さが違うからな」

わわ、普通に話してる……

ファイヤー「……こういうのも悪くないですね」
エン「旅ってのは仲間がいるから楽しいもんだしな」

……旅も楽しいですけども、他にも楽しいことはあるんですよね。
たぶん、近いうちになにかある……といいですねぇ……

――――

〜4時間後〜 ホウエン地方 ミシロタウン

最中「着いたぁーッ!」

着いた……ついに着いたか……

アクラ「ここが・・・」
エン「新しい家、らしいな」

家は2階建ての一軒家。事前に間取りの書かれた紙はもらっていたが概ねジョウトの家と同じ間取りだった。
つまり、母さんと親父がいない分のびのび使えるわけだ!

最中「とりあえず中に入ろうぜ。運送会社の手伝いもあるんだし」

そういって俺はドアに手をかけ、引いて開ける。

ドリュー「お、お前らおそかったじゃねぇk」

閉めた。

――――

ヒダン「い、今なにかいたわよね……?」
最中「お、俺の知らん奴が家の中に……!」
ネスタ「ひ、ひどい無礼を……!」
サナタ「あぅあぅ……」
アクラ「そんなひどい……」
エン(突っ込まないでおこう)
ラセイラ「まったくどこのどいつがこんなことを」
ドリュー「上等だドラァ!」

思いっきりドアが開いて見知った奴が出てきた。

――――

ドリュー……種族はオニドリル。

最中が二番目に手にしたポケモンで、ジョウト一周の際に活躍した。

が、カントー攻略の際にはメンバー調整ではずされた。

以後はジョウトの家のほうで家事手伝いなどをしていたはずだが……

髪はオールバックで茶髪。

性格はツッコミ系の性格でアワレなうえにヘタレだが実は目だった欠点があまりない男。

――――

アクラ「でもそれって結局のところ器用貧乏ですよね?」

――――

閑話休題。

最中「我々は只今新しい住居と思われる建物に潜入した。状況の報告だ」
ネスタ「以前の妾たちの住居より若干広く感じるぞ」
ラセイラ「さらに引越しの道具が見事に以前の住居の通りに配置されている」
エン「前三者の戯言はともかく、本当に見事だな」

む……若干台詞を蹴落とされた感があるがこの際はどうでもいい。
注目すべくはこの家の中身だ。
要約すると『(引越しの荷物が)あるのになかったというか鬼なった』ということ。

ヒダン「私たちがすこし遅くなったとはいえ、一人でこれ全部片付けるなんて……」
ドリュー「見たか!これが一年半の家事に囲まれた生活によって身につけたs」
最中「部屋割りすっぞー」
ドリュー「話を聞け!?」

俺は何も聞いてない。聞いてないぞ。
とっとと部屋割りを決めて宴会やりたいんだよ……オレは……
早急にリビングの中央のテーブルの席に座り、見取り図を取り出して広げる。

最中「さて、部屋の間取りはだいたい前と同じだが今回は人数が増えたから改めて考えたいと思うんだ」
エン「あぁ……ファイヤーのことか」

他にもいろんな事情があるけどね。

最中「この一室は俺とネスタとカイエにサナタで使うぞ。この部屋はヨツバとアクラ。こっちはヒダンとラセイラで使ってくれ」
アクラ「はい」ラセイラ「分かった」
エン「……何を言うかわかってるがあえて言わせてもらう。俺とファイヤーが残ってるのになんで一部屋なんだ?」
ドリュー「俺は!?」最中「屋根裏」ドリュー「まただよ(泣)」

俺はいろいろ考えたつもりだけどなぁ
気に入らないことは無いと思うんだけどなぁ……特にファイヤーさんは。
今も顔真っ赤にしてエンのほう見てるし。なんか不束者がどうこう言ってない?彼女。

最中「……まぁいいや。じゃぁしばらく皆は自分の部屋で片付け。2時間後にリビングに集合!いいな!?」
一同「hai!」

――――

それから三時間後、盛り上がった宴会が盛り上がりすぎておかしくなった。

エン「どうしてこうなった……」

見るからに地獄絵図だった。
宴会の序盤から未だに酒を瓶でラッパ飲みし続けるヒダン。
酒が入ったせいかひどい泣き上戸となり何故か柱に誤り続けるアクラ。
ヒダンはそれほど荒れてなかったが30分が経ったころに最中と子供たちと避難した。
ラセイラは大笑いしながらヨツバに絡んでいる。物理的に。
かくいう俺はすこし離れたとこでグラスを傾けている。
そしてファイヤーは、

ファイヤー「う、うにゅぅ……」

どうやら下戸らしく、一口でダウンしてしまった。
部屋まで運ぶことも考えたが人一人をおぶって階段上ったりするよりはここが介抱に適していたのでここにいることにした。
……しばらくこの場を動くことはできそうに無い。

――――

〜一時間後〜

われは しょうきに もどった!

……ってあれ?我はいつの間にベッドに……
うーん、すこし前の記憶が無いですねぇ……
一口お酒を飲んでこう、くらーっと来たとこまで覚えてるんですけども。
我、こんなにお酒弱かったんですねぇ……
ちょっと悲しいです。

それにしてもエン様はどこに行ったのでしょう?
我と同室だから近くにいるはずなんですが……

エン「zzz……」

あれ、床で寝てますね。
……それにしても我にベッド、自分は床、ですか……
我に優しくしてくれるのはすごく嬉しくていろいろ出そうなのですがやはり自分の体も労わって欲しいです。
いやでもさすがに我一人ではベッドに運べませんからね。
引きずるならできるでしょうけどそれだと起きてしまいますし。
せめて何かかけてあげましょうか。

――――

朝だよ!11

――――

皆さんおはやう。
最中だ。
只今の時刻は午前7時半。
俺は5時半に起きて今の今までリビングの片づけをしていたとこだ。
俺が起きたときはそれはひどかったさ。
名にこの惨状とか思ったしやだ・・・なにこれ・・・とかいろいろ思うことはあったけどとりあえず片付けることにしたんDA☆
もうすこしで終わるからちょっと待っててくれ!

――――

そのころ、ちょうどエンは起床したところだった。
素早く体を起こし、なぜか自分にかけてあった毛布をたたむ。
そしてファイヤーを起こそうとベッドに向かう。

エン「さぁてと……」

ベッドを見ると、ファイヤーがシーツを抱くよう丸まって寝ていた。
その姿は一昨日出会った上品な物腰の彼女とはギャップがありすぎる姿だった。
しかしそのギャップが異性に対しては非常に効果が高かったりするのだが……

エン「……いやこれ起こせねぇよ」

こうかは ばつぐんだった!

――――

皆の衆、ごきげんよう。
ネスタじゃ。

今日の朝はもう片付けばかりやってたから少々疲れたのじゃ。
昨日は妾は途中で避難したとはいえ楽しませてもらったからの、こういうことはやるべきだと思うのじゃ。
他には主殿以外いなかったがの。

最中「おーい、ネスター!こっちの片付けは終わったぞー!」
ネスタ「こっちも終わったから少し休憩しようぞ!」

うむうむ、まだ朝食作ってないが構わんな。
まだ皆起きてないわけじゃし。
この分じゃと大体10時ごろに皆起きてくるじゃろうな。

そしたら皆で隣のオダマキ博士宅に挨拶にいかねばなぁ……

――――

〜十分後〜

エンはまだ動けなかった。
いくらなんでも効果抜群すぐる……

エン(いやいや起こさなきゃまずいよな?だが相手はこんな気持ちよさそうに寝てるわけだからうんぬんかんぬん)

たぶんこら気づいてませんねいろいろと。

エン(そういえばなんで俺動けなくなってあばばばば)

とうとうパニックに陥ったようですね

――――

アクラ「お、おはようございます……」
ヒダン「おは……よう……」
最中「おぉ、やっと起きたか……」

やっとだよ(笑)
というかヒダンがやたらふらついてるのは気のせいですか?えぇ?

ヒダン「う゛ぅ〜……頭痛いぃ……」
ネスタ「二日酔いか。ほれ、薬じゃ」
ヒダン「うぅ、すまないわ……」

片付けてて思ったけど一升瓶が5本ほど固まって空いてたのは誰の仕業?ねぇ?
まぁ案の定ってとこなんだろうけど

アクラ「あれ、他の人たちはまだですか?」
最中「んぁ、ラセイラ達は……まぁほっとくとして、エンのほうなんだよなぁ」
ネスタ「いつもなら早く起きているからの」

うーん、もしかして俺が一緒にしたからいろいろ早く進行しちゃったかな……?

――――

エン「ま、まず落ち着こう……」

そうだ、落ち着け俺。
起こすだけのためにこんなに気張ることないんだ。
そう、そうだ。軽くゆするだけでも十分なんだから。

俺はゆっくりと(おそるおそるとも言う)ファイヤーをゆすった。

エン「お、おい、そろそろ起きろ」
ファイヤー「う、うぅん……!」

っとびっくりさせたか?
勢いよく目見開いて起き上がって

エン「!?」
ファイヤー「!?」

――――

ラセイラ「……!」
ヨツバ「………どうしたのよ」
ラセイラ「何かが動いた……よし、起きるぞ!」
ヨツバ「ちょちょ、待ちなさいよ!」

――――

最中「……ちょっと待っててくれ」
ネスタ「え……どこ行くんじゃ?」
最中「まぁまぁ」

――――

エン「……なぁ」
ファイヤー「は、はい……」

うぅ、何かきまずいですよぉ……
まさか偶然、偶然とはいえ、その、き、ききき『キス』しちゃうなんて……
あの、えと……今だって背中合わせですし……

エン「あぁ……なんだ、そのー……だな。
  す、すまなかったな……」
ファイヤー「え、えぁっと……」

すまなかったって、そんな我が嫌だったみたいに……
我はそんな気なんて全然なくて、むしろだ、惚れていた人とキスしたわけなんだから……
え、えと……

ファイヤー「そ、その!!」
エン「お、おう」

も、もうなるようになってしまえばいいんです!ええ!後悔しませんよ!

ファイヤー「さっきエン様は!すまないって言いましたけど!」
エン「あ、あぁ」
ファイヤー「我は!むしろとても嬉しいです!」
エン「な、に?」
ファイヤー「今、ここで!我はすべてを言います!我は、エン様のことが!」
エン「……」



       『大好きです!』



ファイヤー「ずっと、最初から、最初に会って、負けたときから!」

あのときの夜も、あの船でのときも……

ファイヤー「あなたを!我を初めて打ち倒してくれたあなたを!」

あのときから、ずっと……

ファイヤー「慕って!愛しておりました!」

だから……

ファイヤー「ですから!」

我の思いを……!

エン「いい、そこまでで十分だ」

………え……?

――――

ラセイラ・最中「おいィ……それはsyレにならんよ……?」

――――

ファイヤー「な、なんで!?なんでですか!?」

問いかけてくるファイヤー。

エン「とりあえず、いったん落ち着け」
ファイヤー「そんなこと言われたって!」
エン「落ち着け!!」
ファイヤー「っ!」

……っと少し躍起になったか
しまったな、俺も動揺してるみたいだ

エン「正直な、俺は今どう反応すればいいのか分からないんだ。だからな、俺はお前の要求どおりのことができないかもしれない」
ファイヤー「そ、それでも我は気持ちを……!」
エン「落ち着けって言ったろ?だけども、まぁ……本来はあまりやりたくないんだが」

……なぁんかあの馬鹿と被ってるからあまり、なぁ……

エン「俺はあえて予想を少し裏切る」
ファイヤー「そ、んな……!」

うぅむ、やっぱりな。
……だが、これはうまくいくはずだ。あいつにとってもいいはず、だ。

ファイヤー「わ、我は……な、にを……ぐすっ、えぐっ……うぅ」
エン「俺は少し、と言ったつもりだがな」

言って、ファイヤーに覆いかぶさるように身を乗り出す。

ファイヤー「きゃぅ……」

そのまま上にかぶさる形で押し倒す。
そしてそのまま俺は、首元へ手を伸ばす。

ファイヤー「なんで、なんでそんなことぉ……痛゛っ!?」
エン「む、うまくいかんな」

そして、思い切り引っかいた。

ファイヤー「な、なななな……!」
エン「これでいいんだよ」
ファイヤー「え……?」

ファイヤーの首元からは血が一筋流れ落ちる。
ヨツバの真似事じゃないがそれを舐め取り、

エン「さっき言ったとおり、俺はお前の思い通りの行動はできない」
ファイヤー「だからってこんな!」
エン「だから俺はお前の体に痕が残るように傷を付けた。分かるか?これはほぼずっと残る傷だ」

ファイヤー……理解できるか?お前に、この意味が。
この、残る痕の意味が。

ファイヤー「ずっと……残る……!」

ハッとしてこっちを見るファイヤー。

ファイヤー「ずっと……忘れられない……!」
エン「ん、まぁ少しきざったらしいやり方だったか?」
ファイヤー「では、我の思いは!」
エン「おう、無駄じゃねぇさ」

――――

最中「お、おぉー……」
ラセイラ「うっわくっせぇ……」
最中「なんであいつネスタのときのそれを知ってるんだ……!」

――――

無駄じゃない。
我の決断、思いは無駄ではない。
ということは、我とエン様は……!

ファイヤー「う、う゛ぅ……!エン様ぁ……!」
エン「お、おい!?ちょ、落ち着け!」

我は、我は忘れません!この傷も!エン様も!

ファイヤー「エン様ぁ……!!」
エン「……まぁ、なんだ。これから……よろしく、だな」
ファイヤー「…………はいッ!!」

――――

今回のオチ。

エン「……少し遅かったみたいだな、おはよう」
最中「おはよう☆」
ファイヤー「お、おはようございます……」

何でしょう、主がやたらとご機嫌というか皆さん上機嫌のようですね。

最中「さ、早く飯食え飯。今日は隣のオダマキ博士に挨拶するんだ」
エン「オダマキ、ねぇ……」
ネスタ「オーキド博士によるといつも外出しているらしいから正確には家族に、だがの」
最中「今日はめでたいこともあったしきっといるだろうよwwww」
ラセイラ「アレは確かにめでたいなwwww」
エン「? 何のことだよ」

……何のことでしょう?

最中「いやいやお前は気にしなくて良いさwwww」
ヒダン「とりあえずご飯を食べてしまいなさい」
ファイヤー「は、はい……」

……今は気にしなくてもいいのですね。
何はともあれ、今日から私は主と、エン様とともに旅立つのですね。明日かもしれませんが。
たぶん、いろいろ大変なんでしょうね……
でもこの人たちとなら大丈夫でしょう。

きっと、大丈夫でしょう……


ポケモン妄想録 外☆伝

おわり