ひと夏の物語。

なにもない広い公園に一人の少女はいた。
目は色素の濃い黒色。前髪は丁寧にきりそろえられていて、後ろ髪はなんの髪飾りもせずにただただ黒く、長い髪の少女だった。

その少女は沢山の人がいる公園内のベンチに腰をかけていた。

「ねえ、キミ、ボクと遊ばない?」
一人の少年が少女に声をかけた。少女の声は鈴みたいに綺麗だった。
「ごめんね、今は無理なんだ?」
少女は言う
「どうして?」
「探し物をしているんだ。」

「そんなの二人で探したほうがすぐにみつかるよ!」

少年は静かに微笑んだ。
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