学園生活に最低限必要なそれ
「ふぁぁ・・・」
僕は多村和樹、涯育学園の2年生だ。ついでに和樹は『わき』ではなく『かずき』とよむ
涯育学園では1年生の最後にやるテストの成績により2年生になった時のクラスが、2年生の最後にやるテストの成績で3年生のクラスが決まる。
今日はその結果が出る日だ。
「コラァ!!多村早く来い!!遅刻するぞ!」
まえから暑苦しい声がきこえる。生活指導と保険体育の両方をもつ南崎先生だ。あいかわらず今日も暑苦しい。そんなんだから生徒から熱人って言われるんだよ。
「こんにちは熱じ―――南崎先生」
「お前今熱人って呼ぼうとしただろ」
やばい、ばれる!南崎だ南崎
「め・めっそうもございません。南崎熱じ―――先生」
「お前、教師をなめてんのか?」
「いいえ。今日舐めたのは塩ではなく砂糖です」
まったく熱人はなにが言いたいんだ。そんなに僕の食生活を知りたいのかな?
「ちがう!!俺が言いたいのは今日塩をなめたかじゃなくて教師のことを馬鹿にしてんのかということだ。」
あ、そういうことか!
「そんなことは絶対ありませんよ!!なにいってるんですか!!」
死のことなんて誰が馬鹿にするか。僕だって毎日を必死で生きてるんだ!!
「そ・そうか。そこまで言うのならお前のことを信じよう」
「で。僕に何か用ですか?」
「ああ、そうだったお前にこの前のクラスわけテストの結果を渡すんだった。」
「ありがとうございます。」
(確かこの前のテストはすごいうまくいったばずだ。)僕が結果を楽しみにしてると熱人は熱く語ってくれた。
「お前今回よくがんばったじゃないか先生にもお前の気持ちが伝わったぞ。」
あ~暑苦しい。
「先生そんなことよりはやく結果をください。」
「ああわかってる。お前は、お前は、お前はどうあがいても『馬鹿』だ!!はやく最下層のDクラスへ行け!!」
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