漆黒のヘキサグラム・純白のペンタグラム外伝 人狼編3
第三話 「飛蝗と蟷螂」
◇7月1日
今日もツリーハウスに朝が訪れる。
枕戸の村はもうとっくに目が覚めているはずなのだが。
まぁ僕がするべきことはたまに老人会や小学校(この年齢でなぜか小学校)に顔出しすればいいだけである。
よって朝市に店を出す必要もなく、時間にルーズな暮らしを日々送っているわけだ……。
……こんなので大丈夫なのだろうか、僕という人間は。
とにかく、目覚めきっていない僕の寝ぼすけ脳に鞭打って布団から体を起こす。
すると今まで気づかなかったが、自分の腕に何かくっ付いてくるのが分かった。
注視するとそれは茶色の髪をところどころはねさせた、ふんわりとした……って、紫乃じゃないか!
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