「恵麻っ!!」
俺はとっさに恵麻をかばった。(おお!素晴らしい!)
「・・・ギヒッ!?」
突然何者かが3人を後ろから引き裂いた。
そいつの正体は・・・。
「ソラ!?どうしてこっちに!?」
「うん・・・。なんとなく。危ない香りがしたんだ。でも助かってよかったね。」
「ああ・・・ひやひやしたぞ?」
裕也とソラは青い顔をしていた。
「心配かけてごめん。これからは4人で行動しようぜ。
「そうした方がよさそうだな。」

俺たちは4人で行動し始めた。
「欲望の弱点は背中みたいだ。でも、武力じゃかないっこない。」
「俺たちはもう6つ欲望を解除したぞ。」
裕也が自信満々に言った。
「へーへー。すごいでちゅねえ、裕也君。」
「なっ!?」
「喧嘩はやめてください・・・」
「あのさ。なんですでに欲望に呑まれた人たちが欲望を嫌って家の中にいるんだ?」
「霧は、平常心を保てなくなるって言っただろ?霧に当たりすぎると、欲望の姿で保てていた平常心が保てなくなるんだ。」
「つまり、外にいる奴は平常心じゃないってことか。」
たしかに、言葉をしゃべらずにへんな笑い方をしていた・・・。
「俺たちもあまり外にいると体によくない。もうしばらくしたら、いったん退散するとしよう。」
裕也がメガネをはずした。だてだから。このときの裕也は真剣な裕也。

学校に戻る途中だった・・・。
「ギヒヒヒヒっ!」
「ギヒッ!」
たくさんの欲望の声がした。
「まずい。囲まれてる!」
俺が目を凝らした時にはもう、目の前にたくさんの人間の姿をした欲望たちが迫っていた。
「ど、どうするっ!?」
「まずい・・・。」
裕也が包丁を持って対応する。・・・がそれも虚しく、裕也は意図も簡単に弾き飛ばされてしまった。
「大丈夫か!?」
「俺は大丈夫だ・・・。」
「きゃあっ!?」
恵麻の叫び声が聞こえた方を向くと、一人の欲望が彼女の腕をつかみ、欲望の大軍の中に連れ込もうとしていた。
「ダメだっ!」
俺が恵麻の反対の手を引くと、向こうはものすごい力で引き返してくる。
「いた、い・・・。」
「クッソ・・・。どうしたら・・・。」

「・・・二人とも下がって。」
ソラがそう言った。
「無理だって。お前を盾にするなんて・・・。しかも恵麻が・・・!」
「いいから下がるんだ!」

そういうとソラは、何かを唱え始めた。

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