霊夢は知っていた。射命丸も知っていた。誰もが知っていた。この悲劇を。大切な人が消えていくこの悲劇を・・・
そう。王を決める戦いだ。
霊夢は言った。
霊夢「射命丸!どうして私達は敵同士にならなきゃいけないんだ、どうして!」
射命丸は泣きながら答えた。
射命丸「どうしてって・・・それは・・・これは王を決める戦いだからよ!友達を信じたら負けなの!」
霊夢「・・・友達を信じたら負け・・・」
霊夢は悲しそうな顔になった。そして、こう言った。
霊夢「射命丸・・・真実を全て話すよ・・・魔理沙が今ここにいない理由を・・・射命丸、覚えてる?自分が謎の光線にやられたの」
射命丸は、はっとした。
霊夢は話を続けた。
霊夢「あのあと、魔理沙が帰ってきて、教会に行ったんだ」
教会のことは射命丸も知っていた。つまり、魔理沙は自分のために消えたってわけだ。
射命丸「そう・・・そうなんだ・・・」
本当は「何で言ってくれなかったの!」って言いたかった。でも、言えなかった。だって、霊夢の話があまりに悲しすぎるものだったから。 
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王と神(下巻) s.1
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