◆第六章:至る先はかちうの都へと
◇1582年3月18日 ――渡月橋の戦い――
ぎりぎり、と。
彼らが舞う舞台はまさに二人だけ、独壇場と化していた。
厄神、そして、藤崎 智美。
首格同士、そして何より強者同士のつば競り合い、基、飛び交う弾丸に誰もが目玉をかっさらわれていたのだ。
「やぁ、く神ィィイイイイイイッ!」
智美の手にするものは、山賊刀一本のみ。
乱暴に振りかぶっているように見えて、その力の流れは絶えず無駄が省かれており、よって死の軌跡は何度も厄神の命を捉え
る。
ブゥンと、風の裂ける音が厄神を掠めては過ぎ去る。
「ヒへぇぁぁああああああッ!」
智美の奇声と、その顔面に張り付いた狂気が、周りに居る兵(つわもの)の動きを凍りつかせていた。
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【小説】厄之神:第六章「至る先はかちうの都へと」【著:ジャトゥー】 s.1
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