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ビブリア古書堂の事件手帖　6巻感想

2015-01-08(木) 全体公開

今回は一冊まるごと、太宰治の作品を題にしてましたね。
「晩年」は1巻で、栞子さんと田中敏雄の関係がいろいろあったのでまた出てきたときはビックリしました。それに、一番最初の書き出しが病院のシーンだったし、よりによって五浦さんが入院してるっていうのには衝撃でした。智恵子さんに語る回想の形で物語が進んでいくので、どうして五浦さんが入院するほどの怪我をしたのか知りたくて、でも古書の謎も気になって…三上さんにはやられました。
田中敏雄が再登場するっていうのは、また栞子さんや五浦さんに危害加えそうでドキドキしてたのですが、最初の時点では危険は無さそうだったので安心。でもやっぱり晩年に対する執着心はすごい強くて怖いですね…
本の謎について探る一方で、なんだかんだラブラブな栞子さんと五浦さんも見てて楽しいです。五浦さんもあんな強面なのに押しは弱くて、それでも一途に栞子さんを想ってるところがかわいらしいです。栞子さんも栞子さんで、ファーストキスを自分からだなんて。
本の話に戻りますが、晩年に対する執着心は真理さんも強かったんですね。今回の登場人物、栞子さんをはじめとする太宰ファンが多くて、しかも太宰の知り合いまで…それぞれが太宰に対してどんなところが好きだとか、本当に太宰を愛する人物ばかりで、晩年を読んでみたくなりました。今度買ってみようと思います。
「走れメロス」の裏話や「駈込み訴へ」盗難事件など、「晩年」以外にもいろいろな事件を解決する栞子さんかっこいいです。
全て謎が解き終わっても、田中敏雄が五浦さんをスタンガンで襲ったり殴ろうとしたり、田中敏雄はやはり危険人物だと確信。でも五浦さんスタンガンで気絶しないって強すぎ。
大好きな栞子さんを守るために必死で説得して…五浦さんは本当に、いろんな意味で強くて。ごうら食堂での田中敏雄とのやりとりは泣きそうになりました。
そしてやはり、寛子さんと田中敏雄との「晩年」交換。あそこで寛子さんが悪い人に見えましたが、まあ実際本人もすごく悪い人だけど、真理さんに使われて「晩年」を狙ってたというのは怖いです。しかも真理さんは、亡くなった夫の尚大さんが田中嘉雄に盗ませた「晩年」を、今度はそれを買い取った栞子さんから奪おうとしてるわけでしょ…人間の欲って本当に怖いですね。
最終的に五浦さんが怪我した理由も、石段から一緒に落ちそうになった寛子さんを庇うためだって…五浦さんらしいです。
それで、もしかしたら今度は栞子さんが久我山家の真理さん尚大さんの孫かもしれないって。久我山家は夫妻といい寛子さんといい、本を盗むような人がいる家系なのに…篠川家と五浦家の関係も複雑です。

7巻か8巻で完結してしまうそうですが、今回もおもしろかったです。五浦さんと栞子さんの関係も発展していただきたい。なんてったって、五浦さん、「俺は栞子さんと結婚する」って宣言したしね！
マンガ版もいつか読みたいです。これは、いろんな本に出逢えて良い作品ですね。

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